主人公・クロエ（名前変更可）の住む町は、
金網が厳重にはられ、
まるで檻のような場所だった。
そこは自分を含め、ゾンビしかいない町。
寿命を全うする前に
自ら死んでしまう仲間が多いこと以外、
日々平穏に過ごしていたある日……。
もっと外の世界を見たいと願うクロエの元に、
優秀な生徒だけが行くことを許される
多種族が通う名門学校からの入学案内状が届く。
魅力的な闇の住人たちと送る、階級学園生活！
クロエはそこで、種族を超えた
禁断の愛を知ることになる——。
【シバ】
言ったろ。獣になったオレらに、理性はない。
人型を保ってるときの意識すらねーんだ。
【シバ】
入学早々、おもちゃにされて
なぶり殺されるのは嫌だろ？
【主人公】
それは……。
言い淀む私に、
シバは顔を更にグッと近づけてくる。
鋭い瞳に浮かぶ強い光に、思わず息を呑んだ。
【ナギ】
この学園にゾンビはいないし、
本にもこの通り書かれているから、
【ナギ】
この内容を、本当のことだと信じている
生徒は多いと思うんだ。
【ナギ】
僕も、君が教室に現れたとき、
あんまり綺麗だったから……。
【ナギ】
皆の言う通り、人魚が現れたのかと思って
すごくビックリしたもの。
【レイ】
お前は、吸血鬼がどういう種族か知っているか？
【レイ】
お前のように若くて美しいものに目がない……
階級こそ卑しいが、その見目は一級品だ。
【主人公】
も、物みたいに言わないで……。
【レイ】
何度言えばわかる、愚劣な女め。
お前は俺の『モノ』だ。
【レイ】
その美貌、その血……俺のために生かせ。
【主人公】
私、顔の美醜を気にしたことって
今まで全然なかったんだけど……。
【主人公】
ナツメの顔は、本当に綺麗だね。
【ナツメ】
なっ……。
【主人公】
包帯で隠れててわかりにくいけど……
まるで芸術品みたいに整ってる。
【主人公】
ねえ、ミイラって……皆、こうなの？
【ナツメ】
……っ！
